高齢対応チーム・取材レポート(その2) 新林「まちの縁側」(新林)

新林学区社会福祉協議会さんの新林「まちの縁側」におじゃましてきました!

新林「まちの縁側」は毎月第3火曜の午後1~4時に洛西新林会館にて開かれています
新林「まちの縁側」は毎月第3火曜の午後1~4時に洛西新林会館にて開かれています

 新林「まちの縁側」は,高齢者も子どもも,新林学区の内外を問わず,さまざまな年代や地域の方々が知り合う場をつくる目的とした,新林学区社会福祉協議会さんによる居場所づくりの取組です。およそ2年間にわたる企画・調整を経て,平成24年1月よりスタートされました。現在,毎月第3火曜日の午後1時~4時まで,洛西新林会館のロビーにて開かれています。

 今回,3月度の開催に合わせて,新林「まちの縁側」を体験する機会を得ましたので,ご紹介したいと思います。

 

洛西新林会館(外観)
洛西新林会館(外観)

 洛西新林会館は,4学区・地域それぞれのサブセンターにあるコミュニティ施設の1つで,さまざまな会議や集会,教室などに利用されるなど,地区の居住者に開かれ,互いの交流を深めることに役立ち続けている建物です。

 新林のサブセンター(新林センター)には,スーパーやカフェなどの商店や郵便局が立ち並び,中央には広場のような空間が設けられています。大通りに接しながらも,その喧騒から少し離れ,行き交う車を気にすることなく,歩いて買い物ができるように工夫された設計になっています。

 新林会館はその一角に広場に東向きに面してたつ2階建の建物です。会館の入口をくぐると,少し広めのロビーがあり,すぐ左手に竹などの植栽がほどこされた中庭があります。どの部屋へ行くにも,この明るく眺めのよいロビーを通るようになっているのが特徴です。


ロビーは中庭の眺められる明るい空間です
ロビーは中庭の眺められる明るい空間です

 さて,このロビーで,新林学区社会福祉協議会の有志とボランティアのみなさんの手により,新林「まちの縁側」が定期的に開かれています。この取組の目的は,高齢者も子どもも多様な世代そしてさまざまな地域の方々が知り合う場をつくることにあるといいます。ロビーで開くことで,会館の利用者にとっても,お買い物などの新林センターの利用者にとっても,誰もが気軽にふらりと立ち寄ることのできる仕掛けになっています。

 そして,その日だけは特別に,机と椅子が並べられ,お茶とおやつのサービスがあります。心地よい音楽が流れ,お花が飾られて,中庭の景色と合わせて四季折々の風情を感じながら,おしゃべりのしやすいように気配りのある工夫がなされています。そのほかにも,子ども用の木馬やおもちゃを置いたキッズスペースが設けられていたり,机も天板の下に車いすが入れるような高さのある机が選ばれていたり,多種多様な世代のための居場所づくりの工夫があちらこちらになされています。


キッズスペースもあります
キッズスペースもあります

 さらに,高齢の方々の見守り,安否の確認といった課題を,地域ぐるみで解決するのに,大切なサポート役を担っているように思えました。というのも,高齢の方々の暮らしをサポートする包括支援センターや介護推進センターの専門職員の方々も定期的に来られており,新林「まちの縁側」やそのスタッフのみなさんは,縁側利用者とセンター職員とをつなぐ,コーディネートの役割をも担っておられるからです。

 運営面でも,子育てサークルや健康体操,シニアサークルなど,さまざまな取組を展開する新林社協の準備会を同日に開き,お互いに助け合える体制が整えられています。


 

 ところで,特に高齢の方々には「きょういく」と「きょうよう」が必要だと,この新林「まちの縁側」の実現に向けて中心的な役割を果たされた片山さんはいいます。「きょういく」と「きょうよう」とは,「教育」と「教養」ではなくて,「今日,行く」と「今日,用」。つまり,今日,行くところ,今日,用事があるところ,があることが大事ということです。例えば,「今日は友達の誰それに会いに,あの町の何処何処に行かなあかん」という思いが元気の源になる。これは,高齢の方々に限らず,子どもから大人まで,すべての世代に言えることではないでしょうか。

 

 この新林「まちの縁側」も,「きょういく」と「きょうよう」の場に着実に近づいているように感じました。新林「まちの縁側」は,古くからニュータウンに住み続けてきた方だけではなく,新しくニュータウンに移り住んできた方にとっても,新たな知り合いができたり,自分に合った取組の情報を耳にできたりして,「きょういく」と「きょうよう」の場となりえますし,そのきっかけが見つかることも期待できます。

 左の写真は,新林社協が企画運営するシニアサークルの作品です。まちの縁側は,こうした取組への参加を紹介し,それぞれの新しい「きょういく,きょうよう」を見つけることにつなげる機会ともなっています。


 開設からおよそ1年が経過し,運営するスタッフの方々にとっても,やりがい,生きがいが見つかりはじめたようです。利用者の方々との会話を楽しむなかで,顔なじみが増え,嬉しい気分になることに,「ありがとう」と声をかけられることもある。地域のなかで顔の見える関係をよりいっそう築くことができ,やりがいが生まれているそうです。伺った当日におられたスタッフの方の,「こんにちは」と明るく声をかけ,笑顔で接しられている姿が印象的でした。

 地域の方々にとっても「ほっこりする場所」として,徐々に定着しつつあるようです。訪れた日も,会館利用のついでに立ち寄った方だけではなくて,ふらりと「誰か知り合いいるかな」と覗きにくる方もいらっしゃったりしていました。買い物途中に会館の軒先で雨宿りをしているときに声をかけられ,この取組を知った方もいらっしゃるとのことです。利用者や地域の方々,センター職員の方々などの口コミで,その輪は広がりはじめています。

 

 いちど,訪れてみてはどうでしょうか。


<今回お世話になった方々> みなさまありがとうございました。

 ・片山さん,新林学区社会福祉協議会のみなさん

 

●新林「まちの縁側」

と き:毎月第3火曜日(13:00-16:00)

ところ:洛西新林会館1Fロビー(075-331-6855)

    (京都市西京区大枝西新林町5丁目1番地26)

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●参考情報

1.「京都市・高齢者の居場所情報について」(京都市情報館)

   http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000135167.html

2.「西京区社協通信 平成24年度版」(京都市社会福祉協議会)

   http://www.syakyo-kyoto.net/shiritai/machidukuri/2012nishi.pdf

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