高齢対応チーム・取材レポート（その１）　コスモス会（福西）

高齢対応チームで，コスモス会さんの「ふれあい喫茶」におじゃましてきました！

「地域ボランティアコスモス会」さんは，地域の高齢者の健康と生活環境，福祉の増進に寄与することを目的に，洛西ニュータウンの東南部，福西学区を中心に活動をされているボランティア・グループです。メンバー２０数名で，学区社会福祉協議会の事業の一環として取り組まれています。

　現在は，主に，洛西福西会館の１階ロビーで「ふれあい喫茶」を開き（毎週金曜日に朝１０時から昼３時まで），地域の居場所づくりをおこなうとともに，「ブルーキャップ」という名称で，窓ふきや草ぬきなど，独居の高齢者の方々のちょっとしたお困りごとなど，くらしの支援をおこなっておられます。

　今回，ふれあい喫茶を見学するとともに，この２つの取組についてお話を伺ってきました。

　さて，ふれあい喫茶を体験しに洛西福西会館へ。「開店」の１０時少し前に着いたのですが，２０数席ほどあるスペースはあっという間に満席。お話もそれぞれ盛り上がっていらして，なんともにぎやかで，すっかり地域の方々に定着しているようです。それもそのはず，今年度でなんと１０周年を迎えたそうです。

　しかし，はじめから，こんなににぎやかな喫茶ではなかったといいます。当初のふれあい喫茶は，ひとりで来られた方が多く，おひとりおひとりにコスモス会のメンバーがついて，人生の紆余曲折や日常の生活の様子など，ゆっくりとお話をうかがうことが多かったそうです。そして少しずつ仲間やグループができてきて，いまのような形になり，利用者は１日１００名を超え，最近ではリタイアしてすぐの世代やお子さん連れの方も見えるようになるほど，地域の幅広い方々にとっての「居場所」となっています。

　喫茶の空間づくりもたいへん工夫されています。とある喫茶店から譲って頂いたというテーブルと椅子がロビーに並び，机の上をメンバー手作りの小物が飾っています。コーヒーサービス（お菓子が付いて１杯１００円）もあり，すぐ横にある吹き抜けの階段からは明るい光が降り注いで，さながら本当の喫茶店のようです。さらに，サービスくださるコスモス会のメンバーの方々の気配りが行き届き，とても居心地のいい空間となっています。

　もう一つの活動である，くらしの支援をおこなう「ブルーキャップ」についてもお話を伺いました。これは，福西にお住まいの独居の高齢者の方々を対象に，日常生活のなかでのちょっとしたお困りごとに手助けする活動です。例えば，窓ふきや草ぬき，お買い物のお手伝いなど，無理のない範囲でお手伝いされています。お買い物は，電話で受けて買い出しにいったり，ドアからドアまで付き添ったりもするそうです。それぞれのお手伝いに２名のスタッフで対応し，１時間１０００円の利用料を受け取り，そのうちの１００円を活動費に，残りを対応したスタッフで分け合う，有償ボランティアのスタイルをとっておられます。

　地域のニーズの把握に，ふれあい喫茶はよい機会となっているといいます。もともと，ふれあい喫茶に来られる方のニーズに対応するところから始まったそうですし，評判が評判を呼び，口コミで徐々に広がっているようです。

　また，ふれあい喫茶や口コミのほかにも，ニーズを掘り起こす試みをされています。例えば，地域の健やか教室や近くの診療所で宣伝していただいたり，地域包括支援センターの職員さんと連携を図ったりするなど。地域包括支援センターの職員さんは，ふれあい喫茶に定期的に訪れ，来られる方とブルーキャップとの間のつなぎ役としても活躍されています。

　こうした地域に関わるさまざまな団体や機関との連携・協力が，ふれあい喫茶やブルーキャップの活動を持続させる強みであるように感じました。また，ふれあい喫茶の開く毎週金曜日は，会館管理の分担曜日で（福西学区では会館の管理業務を曜日毎に地域の各種団体で分担されています）あるため，会の拠点として，メンバーの誰かに会える安心感も強みのように思います。そして何より，コスモス会のみなさんが，それぞれの活動にやりがいや生きがいを感じて，生き生きとした顔をされていることがとても心に残りました。

　お近くの方，ぜひ一度訪ねてみてくださいませ。

＜今回お世話になった方々＞

・岡部さん，藤原さん，山邉さん，そのほか地域ボランティアコスモス会のみなさま

・小泉さん（京都市沓掛地域包括支援センター）

みなさまありがとうございました！

●地域ボランティア　コスモス会

　＜ふれあい喫茶＞

　　と　き：毎週金曜日１０：００－１５：００

　　ところ：洛西福西会館（電話：３３１－０８６５）

　＜ブルーキャップ＞

　　□対象：福西地域の高齢者や障害のある方（特に独居の方）

　　□内容：日常されていた作業や家事が困難になられた方のお手伝い